RVA レヨンベールアクア水草図鑑

Cryptocoryne ferruginea Engler from Kg.Bayur Sasaki M-SEKB クリプトコリネ フェルギネア M-SEKB カンポン バヨール産


2003/08撮影
ボルネオ既存種において最後の関門がフェルギネアであった。
もうボルネオの調査は何回目であろうか?ヨーロッパの研究家筋ではフェルギネアを発見することはさほど難しくないだろう。と言われたいた。それよりも2種の新種を見つけ更にその他既存種においてもあたらな産地による発見はクリプトコリネソサエティの公式なデーターを次々にレコードしていっているにも関わらず何故?と言われていたほどだ。しかし私にとって記載地が正確に判っているにも関わらず見つけることが出来ない矛盾と葛藤していた。しかしヨーロッパ勢が最後にボルネオを訪れたのは25年前だ!!記載地の地形データーと民家の表札まで含めボルネオの伊能忠敬状態でくまなく地図を作りありそうな場所を塗りつぶしてきて今だ発見できない。その謎がようやく溶けてきた。実は彼らはクリプトコリネの中で異種独特の王国を築きあげているのである。
その王国とはいわゆる海底都市であり、毎日淡水の潮の影響を受け身を隠しているのである。まさに砂の嵐に隠されたバベルの塔状態である。雨季乾季や雨の影響ではなく潮の影響を受けるところに繁茂しているため、現地に行った時間の運次第で水の壁が開閉しているのだ。さらにフェルギネアに関しては月の満ち欠けによる開花の研究レポートに目を通したことがあるが、まさにそのレポートは本物だと通関した。実際今までフェルギネアの実物の生態環境を見たことが無かったのでレポートも机上論として頭には入れていたがこれでよく理解することが出来た。まさに発見した時は満月であった。
さらに興味深いのは山間部から海に向かって川が流れるのが普通であるが同じ川で海から水が逆流している場所がある。通常気付かないのであるが今まで気付いていたものの気にかけていなかったがそのような特殊な環境の中に身を潜めているのである。
ところで今回私がフェルギネアを見つけた産地はこれまた公式データーに記録されていない産地である。フェルギネアは1865年ベーカリーによりファーストレコードされて以来謎とされていて1961年より再びシュルツェ氏ヤコブセン氏カトネール氏ニコルセン氏トミー氏などのメンバーで11レコードが記録されているのであるが今までの記載とかなり離れたエリアでの新レコードである。これでようやくヨーロッパ勢にたゆまないクリプトかける調査に引けを取らないオリジナルレコードですべてのボルネオクリプトに「ご機嫌いかが!調子はどうだい!」と挨拶することが出来た。勿論知れば知るほどやればやるほど知りたい事が増えるので継続調査は続行してゆく。
本産地はピートスワンプでありながら潮の影響を受ける不思議なエリアであり通常今までは完璧なブラックウォータで隠されその姿を見せることは無い。そのとき訪れた運で決まるかもしくは同じポイントで長期間見届けなければならない。
不思議なことにその日はその他のクリプトは雨で増水しており見れるはずのクリプトすべての産地が水中深く沈んでおり採集するのも命がけの状況だったのである。そのことが、雨の影響を受けず潮の影響で独自の水位の変動パターンの生息ポイントだったことの裏付けになるだろう。
残念ながら完全開花株はその時は見つけられなかったがつぼみと生息パターンと葉の形状で一致するのでフェルギネアと確定した。次回も挨拶することが出来るだろうか?

2003/08撮影

2003/08撮影

2003/08撮影
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2005/09/29撮影

クリプトコリネの種類